おしっこの通り道は、腎臓ー尿管ー膀胱ー尿道と続き、総称して『尿路』と呼ばれます。
尿管、膀胱、尿道は内腔が粘膜で覆われていて、外界と通じています。
そのため、外界から侵入した細菌感染により炎症を起こしやすいのです。
中でも特に多いのが膀胱炎です。
膀胱炎の主な症状は、
・頻尿
1回量は少ないが、残尿感があるためよく排尿姿勢をとる
・血尿
尿中に血液が混じり、赤みを帯びる
膀胱は腎臓で作られた尿を一定量溜めておく袋状の器官です。
排尿によって病原菌を洗い流す働きがありますが、おしっこを我慢したり、そのために飲水量を制限すると膀胱炎を起こしやすくなります。
メスの場合、おしっこの出口が肛門の真下なので汚染されやすく、また尿道が短いため細菌が膀胱まで達しやすいなど発症の可能性が高いのも特徴のひとつです。
これからの時期、水分摂取やお散歩時間の減少、寒さによる免疫力の低下によって発症しやすくなります。
陰部を清潔に保ち、長時間膀胱に尿が溜まることがないよう十分に水分を補給させ、排尿ができる環境を作ることが大切です。再発や慢性化しやすい病気ですので、尿の変化に注意してみてください。
獣医師:松崎