こんにちは! きど動物病院、獣医師の竹花です。
今回はハリネズミの真菌症を紹介していきたいと思います。
ここ10年ハリネズミの飼育も顕著に見られ、多くのペットショップに見かけられるようになりました。
その中でも”ダニ症”が多く見られていました。
ハリネズミの普及により、ダニに関する治療・予防・疫学が皆様に認知され、大阪市のほうでは初期からダニに感染していることは少なくなってきたように感じます。
しかし、真菌、いわゆるカビの感染症はいまだ広くみられ、年齢を経てから症状が表面化するパターンが見られてきました。
こちらは脱毛とフケを主訴に来院されたハリネズミさんです。背中からお尻にかけて針が極端にないのが分かります。
ここで注目すべきは丸まってない状態ということです。
ハリネズミさんは興奮して丸まって状態だと針が立ち、薄毛に見えてきます。丸まってない状態で薄毛ということを確認してください。
こちらは側面の針がほとんど抜けてしまっています。
かつ、黄土色のカサブタが形成され細菌感染症も併発しています。
側面は上からのぞく形状の飼育ケースだと発見が遅くなり、症状が進行するケースがあります。
診断は皮膚検査で、ダニ症がないことを確認し、培養検査にて変色があるかを確認します。(培養検査には2週間ほどかかる場合があります)
左:陰性 右:真菌陽性
陽性の場合ワインレッドに変色します。
陽性の場合抗真菌薬の投与が必要になってきます。
真菌症は症状が軽度のものから重度のものまで様々ですので、発見が難しいことあります。
当院ではハリネズミから人への感染はいまだ報告はされてませんが、感染しうるといわれていますので注意が必要です。
上記のような症状がみられましたらご来院ください。