病院に来院するうさぎの中で多い病気の一つに、歯の不正咬合による過長症があります。前歯や奥歯の噛み合わせが悪いと、歯が正しい方向に伸びず、頬や舌や口唇にささってこれらを傷つけ、食欲不振をまねきます。

本来、うさぎの歯は一生伸び続け、硬い野草をすり潰すように進化しているので、ペレット、野菜、パンなどのやわらかいものばかり与えると、歯が適切に削れません。

小さい時から、乾草を多く食べて育ったうさぎの歯のトラブルは、少ないといわれています。粗く硬い繊維を含む乾草は、歯の磨耗を助けるため、うさぎの奥歯にとって最も適した食事であるといえます。

乾草を主食とし、フードを体重の1~2%程度にすると、奥歯の異常はほとんどなくなるといわれています。また、乾草は、胃腸の働きも整え、毛球症や肥満も防ぎます。
山田